資格問題

「心理師」と「心理士」の違いを改めて考えてみる

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イメージ画像(医療)

13/05/17のエントリ、「心理師」と「心理士」の違いって?―精神科七者懇談会の「心理職の国家資格化に関する見解」からで提起しましたこの問題。

Twitterでいくつかご意見いただきました。

…うーん…何だかわかるようなわからないような…?

そんなわけで改めて自分でも色々調べて、そして考えてみました。

ググってみると、やっぱりこの「“師”と“士”の違いの問題」については多くの人が疑問に思っているようです。Yahoo!知恵袋のタグには「士 師」というのがあるらしいです。

士 師Yahoo!知恵袋

他にもいくつかのサイトを見つけたのですが、その中でも特に気になったのがこれ。

素朴な疑問 QA473 「師」と「士」は、どのように使い分けられているのでしょう?

この疑問に対する回答の一つがこちら(引用にあたり改行等については読みやすくなるよう改変させていただきました)。

A. セラピストさんから

私は病院で働いています。他の職業的にはよくわかりませんが、病院内においては以下のようなところで「士」と「師」の区別を行います。

「師」は業務独占ができる職業で、「医師」「看護師」などがそれにあたります。業務独占とは、他の人がその業務に携わることができないものを指します。

一方「士」は名称独占ができる職業で、「理学療法士」「作業療法士」「栄養士」などが病院内にいます。これは他の人でも精通していれば、その職業を行うことができます。しかし、同じ業務を行えるけれども、保険点数がとれません。

このように、「業務独占」「名称独占」の違いというもの関係あるのではないでしょうか。

参考までに、「業務独占」「名称独占」の違いについて。

○業務独占
資格がなければその業務が行えない。資格がない状態でその業務を行うと刑罰の対象となります。医師、看護師、准看護師、薬剤師、診療放射線技師など、多くの医療資格が当てはまります。

○名称独占
資格がなくてもその業務が行えます。しかし、資格がなければその名称を名乗れません。理学療法士、作業療法士、調理師、介護福祉士、社会福祉士などが該当します。

これ、一瞬納得できたような気がしたのですが、実は内容には誤りがあります。

Wikipediaの業務独占資格項目中の「2 業務独占資格の一覧」を見てみると「理学療法士」「作業療法士」「視能訓練士」「臨床工学技士」「救急救命士」…他にも様々な「医療系で業務独占資格だけれども“士”」な資格が記載されております。

なお、同じくWikipediaのコ・メディカルの項目の「3 該当職種の例」を見ると、どんな感じになっているのか大体わかります。

看護師
病院勤務の薬剤師
臨床検査技師
診療放射線技師
臨床工学技士
理学療法士
作業療法士
言語聴覚士
視能訓練士
義肢装具士
臨床心理士
管理栄養士
栄養士
歯科衛生士
保健師
助産師
衛生管理者
衛生検査技師
救急救命士
精神保健福祉士
社会福祉士
介護支援専門員
介護福祉士
保育士
歯科技工士
はり師
きゅう師
あん摩マッサージ指圧師
柔道整復師
診療情報管理士
歯科助手
医療事務

ざっと見てみると「師」が着いているのは「看護師」「薬剤師」「臨床検査技師」「診療放射線技師」「保健師」「助産師」「衛生検査技師」「はり師」「きゅう師」「あん摩マッサージ指圧師」「柔道整復師」ってところでしょうか(「准看護師」は「看護師」の中に含まれているんだろうか?)。それ以外、一部を除いては「士」と。

これだけでもいくつかツッコミたいところはあるんですけどね。「技師」と「技士」はどう違うの?とか。診療補助という意味ではかなり近い位置にいそうな「看護師」と「歯科衛生士」、なんで「師」と「士」なの?とか。

それに関連してこんなブログ記事も見つけました。

「○○士」と「○○師」の使い分け-簡単な覚え方変な日本語、変と感じない日本人

まずはこのようなグループに分類します。

1:「医師 看護師 助産師 保健師 薬剤師 マッサージ師」
2:「調理師 鍵師 庭師」
3:「介護士 弁護士 税理士 会計士 整備士 歯科技工士 司法書士 建築士 設計士 保育士 社会保険労務士 社会福祉士」

2を「師」と覚えるだけで、使い分けができます(たぶん)。それ以外で医療関係が「師」で、残りが「士」です。簡単ですね。注意はマッサージ師と介護士でしょうか。マッサージが治療を目的としているのに対し、介護は補助を目的としているので、この分類法で大丈夫だと思います。

2の例外には「美容師」「理容師」なんかも入りますかね。

さらに細かく見ていけば「“歯科技工士”はともかく“歯科衛生士”は医療系じゃないの?」って話にもなったりしますが、確かに「師」は医療色が強いような気もします。

そう考えると、最初にツイートを引用させていただいたSAKAI Wataru (@sakai_wataru)さんの意見。

おそらく「私設の相談室を開業したいのなら、それは医療職じゃないから、師じゃなくて士だろ。」ってことだと思います。

この辺が一番しっくりくるんじゃないかと。心理職は医療以外の、福祉、教育その他の領域があるため「師」ではなく「士」と。

繰り返しになりますが私も「士」を支持します。ただそうなってくると、今度は以前に取り上げた「名称独占の資格である“心理師”ができることで“臨床心理士”を名乗ることができなくなるかもしれない」という問題が、いよいよ現実のものとなってきそうな気もします。

奈良県臨床心理士会のウェブサイトに掲載された「緊急・国家資格化に向けて鳥取県から」を読んでみた その2(12/05/09)

「心理師」ならまだしも「心理士」ですよ。その他に「臨床心理士」という資格があったら、紛らわしいことこの上ないです。私たち、当の資格保持者はともかく、ユーザーは区別がつかなくなってしまいますよね。

うーん…

…ともあれ、この「師」「士」問題については引き続き考えていきたいと思います。

よろしければ皆さんのご意見もお寄せ下さい。

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