まず初めにご注意を。
このエントリは、今回ご紹介する特定のプログラムの利用を推奨するものではありませんし、誹謗することを目的としたものでもありません。
基本的にご利用に関しては希望される方々の自己責任でお願いしたいとは思いますが、わたくしとしましては、ご利用の前にネットでのクチコミや、あるいは実際に利用された方が近くにいらっしゃるのであればそうした方のお話を聞かれるなど、慎重な情報収集の後に実際に使われるかどうか決められればいいのではないかと考えます。
・・・・・・・・・・
さて…
先日、偶然ネット上でこんなページを見つけました。
自閉症・発達障害児のための療育55段階プログラム【四谷学院】
自閉症児の療育に40年の実績と高い信頼を誇る、武蔵野東学園の全面的な協力を得て、家庭での療育を楽しく進められる通信教育講座ができました。各課題の進め方や指導上の注意点は専門的な見解に基づいており、療育の現場から生まれた貴重なノウハウを、誰でも簡単に取り組めるプログラムとして体系化しています。
へー。
四谷学院といえば「55段階個別指導」(これ、登録商標らしいっすね)でおなじみの大学受験を中心とした予備校ですが、小中学生の個別指導塾や高卒認定試験のためのコース、大学生・社会人向けの資格取得の通信講座など、かなり手広くやってるみたいです。
で、さらに発達障害児の療育プログラムにも手を拡げた…と。
確かに「売り」であるところの「55段階個別指導」ってのはスキナーのプログラム学習の理論を実践向けにしたものだそうでして、そういう意味では療育プログラムとの相性いいのかもしれません。
「55段階個別指導」
大学受験で必要とされる知識を55の学習ステップにわけ、一つひとつの知識を基礎から徹底し固めていく学習システム。ステップごとに到達度テストを行い、出来た生徒から講師の1対1解説指導を受ける。心理学者スキナーが提唱したプログラム学習の理論を、実践的システムとして具現化したというもの。
四谷学院 - Wikipediaより引用
しかし、サイトの方を見てみると多くの講座でこの「55段階」を謳ってるんですが、この「55」という数字に何か意味はあるんですかね?
…ってな辺りはとりあえずおいといて、ざっと見た限りではある程度妥当な内容のものである気もします。ただそれもあくまで「通信講座」「通信教材」であるという前提については考慮する必要があるかなと思うわけです。
通信指導による担任制、個別サポートってのはあるようですが、実際に会ってアセスメントするわけではないでしょうから、それは限界もあるでしょう。あくまでも「親の見方」というフィルターを通した上でのやりとりになるわけですしね。
そんな感じで、まずは特定の療育機関なりに通っていることが前提で使うべきものではないかと個人的には思います。
とりあえず、少子化が加速している昨今、予備校も生き残りに必死なのだなあと感じさせられた次第でありましたとさ。
最初にも書きましたが、ご利用に関してはくれぐれも慎重なご判断をお願いしたいと思います。療育機関に通っているのであれば、まずはそこの担当者にこのプログラムの利用について尋ねてみるのが一番わかりやすいのではないかと。