心理・精神医学本

【本日の】『自傷の文化精神医学―包囲された身体』【気になる1冊】

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ちゃんと読んでない…というか欲しいと思ってチェックした本。備忘録的に。

自傷の文化精神医学―包囲された身体 自傷の文化精神医学―包囲された身体
Armando R. Favazza 松本 俊彦

金剛出版 2009-05
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リストカットなどの自傷行為の増加,あるいは,タトゥやボディピアッシングの世界的な流行にみられるように,自らの身体を傷つけ変形させることは,いまや広く見られる行動である。その一方で,それらは、重大な心理的苦痛や精神疾患の徴候という側面があることも事実であり,その全体像はいまだに十分に解き明かされていない。
本書は,自傷行為の臨床と研究を志す者にとって避けて通ることのできない,現代の古典である。本書において著者は,「自らの身体を傷つけ,変形させる」という現象を,膨大な資料と症例を用い,歴史,民族,文化,そして生物学・精神医学という多次元的視点から,徹底的に検討している。
第Ⅰ部では,人文科学的な観点から,人類が行ってきたさまざまな身体改造や自傷行為について論じられ,第Ⅱ部では,文化と臨床精神医学という複眼的視点から,身体各部位における典型的な身体改造や自傷行為が論じられる。また,第Ⅲ部では,精神医学的研究における自傷行為の定義や概念,分類の歴史的変遷が論じられ,著者自身の治療論も語られる。さらに,終章では,モダンプリミティヴ運動のカリスマ的哲人ファキール・ムサファーがボディピアッシングという社会現象について言及している。
その包括性と多次元的視座ゆえに,本書は,精神医学というアカデミズムの枠を超えた,自傷行為に関する比較文化論の大著であるといえるであろう。


05/11/28のエントリ、自傷行為でご紹介したこちら

自傷行為―実証的研究と治療指針 自傷行為―実証的研究と治療指針
Barent W. Walsh Paul M. Rosen 松本 俊彦

金剛出版 2005-02
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これと同じ訳者による新刊です。
リストカットなどのいわゆる自傷行為や、タトゥやボディピアッシングなどの身体改造に加え、摂食障害と自傷行為の関連について言及しているのが個人的にはいい感じ(その流れでカニバリズムに言及しているのもまた興味深かったり)。
最大のネックは価格なのですが…これはもう需要と供給の問題で仕方ないんすかね。あとかなりのボリュームですし。
自傷関連の臨床実践に興味がある人は前述の『自傷行為―実証的研究と治療指針』か、こちら

自傷行為治療ガイド 自傷行為治療ガイド
松本 俊彦

金剛出版 2007-03-15
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がお勧めなのですが、『自傷の文化精神医学―包囲された身体』は自傷行為を研究したい人向けってことで。
以上、備忘録でございました。

順位確認後戻ってきていただけると大変ありがたく存じます学問・科学ランキング

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