心理・精神医学本

【病院臨床】実践・精神分析的精神療法【集団療法】

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最近、この本読んでます。なかなかの良書ですよ。精神科臨床に携わってる人、集団療法(特に精神分析的な)に関わっている人には特にお勧めでございます。

実践・精神分析的精神療法―個人療法そして集団療法 実践・精神分析的精神療法―個人療法そして集団療法
相田 信男

金剛出版 2006-09
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筆者の相田信男氏は現在、医療法人群馬病院院長(※コメントにて指摘あり。3/6修正)であり慶應義塾大学医学部兼任講師という、故小此木啓吾氏の流れを汲む「バリバリの慶應系」の分析の人です(実際、本書の最後には筆者と小此木氏との対談も掲載されております)。
日本精神分析協会認定の精神分析家でもあり、特にグループセラピー、精神分析的な集団精神療法で有名だったりします。
Amazonの商品の説明よりコピペ

内容(「BOOK」データベースより)
本書は、精神分析的個人精神療法、そして精神分析的視点に立つ集団精神療法と、実践領域を広げてきた著者の臨床経験報告を中心に編まれたものである。第1 部にはフェアベーンの紹介やスーパーヴィジョン、スキゾイドについてなど、著者の治療の基礎となっている個人精神療法領域の論文が、第2部には精神科病院というフィールドならではの視点から書かれた論文が集められている。そして、集団精神療法を構造化しその文化を根付かせていく過程、スタッフがチームとして臨床活動を行ううちに病棟というグループが“心理学的”になっていく様子が描かれている第3部は、「グループは信じられる」と語る著者の言葉を裏打ちしており、圧倒的な力をもって読者に迫る。

内容(「MARC」データベースより)
精神分析的個人精神療法および精神分析的視点に立つ集団精神療法の臨床経験報告を中心に、臨床家として実践した流れをなぞり、論考やエッセイ、対談などを一冊にまとめる。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
相田 信男
医療法人群馬会群馬病院院長。慶応義塾大学医学部兼任講師。1945年埼玉県に生まれる。1971年慶応義塾大学医学部卒業。1972年社会福祉法人桜ヶ丘事業協会桜ヶ丘保養院(現桜ヶ丘記念病院)。1988年慶應義塾大学医学部精神神経科学教室助手。1990年医療法人群馬会群馬病院副院長、慶應義塾大学医学部兼任講師。1997年より現職。所属学会に、Member of International Psychoanalytical Association(Psychoanalist)、日本精神分析協会正会員、日本精神分析学会認定精神療法医・同認定スーパーバイザー、日本集団精神療法学会認定グループサイコセラピスト・同認定スーパーバイザー、精神分析的精神医学会顧問、財団法人小寺記念精神分析研究財団理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

んでこちらが目次

第1部 精神分析的精神療法―治療の基礎となるもの―
第1章 ひきこもりと抵抗
第2章 フェアベーンの考え方とその影響
第3章 スキゾイド
第4章 精神力動的個人精神療法の始め方・構造化
第5章 スーパーヴィジョンの終結をめぐって
第6章 サイコセラピーと集団精神療法
エッセイ・1 ロナルド・D・レイン

第2部 精神科病院というフィールドで
第7章 アソビのある容れ物としての病棟―精神科病院における治療構造化過程―
第8章 システムとしての病院
第9章 精神「障害」者をもった家族の問題
第10章 夫婦療法覚書―カウチもコーチも―
第11章 「ぼくたちの失敗」考
第12章 入院病棟における精神療法的アプローチ
エッセイ・2 いじめ

第3部 集団精神療法―グループをめぐる体験―
第13章 グループの始め方・続け方
第14章 統合失調症患者の大グループの特徴
第15章 レヴュー・ミーティングと私たち―変化と評価をめぐって―
第16章 コミュニティ・ミーティングにおけるリーダーシップ―治療共同体へのアプローチをめざして―
第17章 集団精神療法の効き目と落とし穴―集団は信じられるか―
第18章 病院の中にグループがあるということ―その利点と注意点―
エッセイ・3 治療構造論的認識をめぐって
第4部 個人精神療法から集団精神療法へ
第19章 〈対談〉小此木啓吾・相田信男―集団は信じられるか:フロイトの集団論をめぐって―


元々本書は筆者が書いた論文等をまとめて自費出版したものだったのだそうですが、それが編集者の目にとまり出版が決まったのだそうな。そんなわけで個人精神療法から集団精神療法へと実践領域を拡大してきた筆者の臨床実践の足跡をこの本の中に見ることができます
私はあんまりグループは得意じゃない…というかよくわかってないんですが、自分が何がわかっていなかったのかを再確認できて(というかできたような気がして)良かったです。
また「第2章 精神科病院というフィールドで」というタイトルにも見られるように、精神科で個人精神療法・集団精神療法を行うことの意味についても筆者は何度か言及しており(医師と心理職という違いはもちろんありますが)非常に考えさせられました。
それほど堅苦しい文体ではなくかなり読みやすい文章だと思います。興味のある方、必要だと思われた方はどぞー。

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