臨床心理学

ブログの引用とネットを利用した研究手法に関しての追記

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色々書きたいことがあるのですが、まずは一番のポイントであるところ一点。
「論点のすり替え」と言われたら困りますので、私なりにわかりやすいように書きます。わかりにくいところがあったら質問してください>[家族心理.com]管理人さん&皆様
[家族心理.com]管理人ブログの本日のエントリ、某ブログで取り上げられた被験者サンプリング法についてに対して、私はブログの引用とネットを利用した研究手法に関してというエントリをアップしました。
私がエントリをアップした後、[家族心理.com]管理人さんは何度か上記リンク先を編集&追記されております。追記された内容を読む限り、私が言っていることが伝わっていないのようなので改めて。

大規模調査でもない限り偏りは出る。そして、この偏り処理というのは心理学領域の研究において極めて重要であり、結局はどの偏りを研究者が選択していくか、という議論になっていきます。そして、それは「理想と現実の境界」についての議論であり、学会誌であれば査読者をはじめとする研究者同士のコンセンサスの構築に関する議論です。

はい。その通りだと思います。

本研究において差しさわりのない点に関する考察を一点述べるならば、多世代同居家族に関する研究には、「家族心理学への興味」という偏りよりもより優先すべき偏りがいくつかあります。例えば姑への愚痴を書き込むサイトなどに呼びかければもっと簡単に被験者が集まりそうですね。その種の偏りの排除が本研究にとって最優先されます。

私が言っている「家族心理学を冠するウェブサイト・ブログで家族心理学に関する研究の被験者を募集するということは、つまり[家族心理学.com]さんがおっしゃるところの「その種の偏り」を生じさせる可能性があるのではないか?ということなのです。
「姑の愚痴を書き込むサイト」がダメということは、多分「姑好き好きサイト」(そんなのはないと思いますが)もダメなわけですよね?これらがなぜダメかというと、「家族」に対して(ネガティブ or ポジティブどちらにも)偏った意識を持っていそうだからダメなわけですよね?(違ってたら言ってくださいね)
で、家族心理学を冠したサイトに自らアクセスしてくる素人ってどんな人なのでしょうか?家族心理学に興味を持っている人ですよね。なんで素人が家族心理学に興味を持っているのでしょう?って考えると、「家族」に対して興味を持っている=「家族」に対して偏った意識を持っている可能性が恐らく高い…というところが問題なのではないかと言っているのですよ。
私が言ってることわかりますか?>[家族心理.com]管理人さん&皆様
繰り返しになりますが、わからなかったら質問してください>[家族心理.com]管理人さん&皆様
以上、一番大事な要点でした。
以下、蛇足(でも多分蛇足の方が長いです)。


で、その上で「家族」に興味を持っているというのは偏りとして仕方がないというのであれば、私としては[家族心理.com]管理人は研究者としてその程度の方なのだなあと思うしかないです。基本的に統制可能な要因はできるだけ統制した方がいいわけで、偏りが生じる可能性がある中で、コントロールできる偏りなのにコントロールしないのは研究者として怠慢なのではないかと思うのです。

こちらもプロフェッショナルですから黙ってはいられません。

しかもその指摘にはあきれていますが、好意的に解釈するならば、大学生に質問紙を撒いてきた方、もしくは事例研究等により、サンプルの問題にディープには触れてこなかった方がよく言いがちなコメントと感じられます。

私も社会心理学の知識はありますし、教員ですから手続き等の「お作法」には熟知しているつもりです。社会心理学系の査読者から、同様の指摘があっても全く問題なくリコメントできます。

研究のプロフェッショナルでもなく、大学生に質問紙を撒くような研究や事例研究しかせず、サンプルの問題にディープに触れて来なかった様な輩の言うことなど、社会心理学の知識もあって、教員であり手続きの「お作法」に熟知している[家族心理.com]管理人さんにとっては聞く価値はない、と。
まあ、そう思うのであれば仕方ないですよね。勝手にそう思っておいてください。
ただ、もう一度だけ言います。コントロールできる要因なのにコントロールしないのは研究者としては怠慢だと思います。ここで言う「要因をコントロールする」というのは「家族心理学を冠したウェブ上のコンテンツで家族心理学に関する被験者を募集しない」ということです。
そして研究者と言えども当然気づかないことはあります。人間ですから当然です。気づいた時(教えてもらった時)には訂正するというのも、研究者として大切なことだと思います。
以上、「研究者としての私」の意見です。
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ちなみに

大学生に質問紙を撒いてきた方、もしくは事例研究等により、サンプルの問題にディープには触れてこなかった方がよく言いがちなコメントと感じられます。

これは「研究者としての私」に対する侮辱とも取れる言葉なんですけど…まあいいや。
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以下、もっと細かいところです。話題が飛ぶと理解しにくい人もいるかもしれませんし、私も整理しにくいので太字で見出しをつけていきます。
引用とリンクについて

以上の文面を“都合よく切りとる”ことなしに、もし引用するなら全文をペースト、もしくはリンク形式にしてください。また、ブログ上の議論の是非など、論点をすりかえることのなきよう願います。

部分引用に関しては前に書いた通り。学術論文であっても、自分の論理に「都合の良い部分を切り取って」引用するのが普通であり、全文引用はあり得ません。全文引用が必要だというのであれば、その根拠をお教えください。
もし「都合よく切り取る」ことで主張が歪曲されているのであれば、それは問題だと思います。そうした場合はその旨伝え、修正を求めればいいだけのことです。今回、私が発言の部分引用する中で、[家族心理.com]管理人さんの意図を歪曲した部分はありましたか?私はそのつもりはないのですが、もしあるとすれば、具体的にご指摘いただければと思います。妥当な意見であれば、速やかに修正いたします。
なお、私は当該エントリにしっかり直リンクを張ったつもりです。もしリンクが張られていないとしたら、ご指摘ください。
で、逆の立場からなのですが、引用もしないで発言するというのは、逆に根拠が希薄になるのです。具体的な指摘もないので、[家族心理.com]さんの私に対する発言は全般的に根拠が希薄なのです。そして[家族心理.com]管理人さんは、私のエントリを問題にしていながら、リンクも張っていませんし、ブログ名ですら「某ブログ」です。「某」をつければ、引用なしでも、あるいは根拠なしでの発言も許容されるとは思えません。

こちらの了承も得ずに引用されている点は非常に品性の無い行為と思います。

[家族心理.com]管理人さんは、これまでの研究の中で、全ての引用文献の引用元の人の了承を得ているのですか?そうでないとしたら、人の行為をあげつらって「品性」云々言うのは、それこそ品性に欠けた行為なのではないかと思います。
あ、あとこの件で、こちらから何度かトラックバックをお送りしているのですが、当該エントリでは反映されておりません。こちらのサーバ等の問題かもしれませんが、もしトラックバックを拒否されているのであれば、その理由はお教えいただきたいです。
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エントリアップ後の編集&改変について
[家族心理.com]管理人さんは当該エントリを本日02:37付でアップしております。もちろん、投稿時間の改変は可能なので、それが正しいかはわかりませんが、少なくとも私が見た朝6:00前後にはアップされておりました。
そしてこのエントリの冒頭でさらりと書きましたが、[家族心理.com]管理人さんは何度か上記リンク先を編集&追記されています。
これ、議論をする上では最悪だと思うんですが。だって、こんなのやったらいくらでも後出しジャンケン可能じゃないですか?
さすがに[家族心理.com]管理人さんでも、言ったことを言っていないとは言わないと私は信頼しておりますが、公開した後に追記、編集、改変した場合には、どの部分を編集したのかくらいは明記しましょうよ。そうじゃないと議論そのものが成立しません。
ひょっとして、そういうことも踏まえて「全文コピペ」を推奨しているのでしょうか?
一応、私の方でキャッシュは保存しているので、どの部分を編集されたかを指摘することは可能です。
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この後、ブログでの議論と学会の自主シンポでの議論という見出しで書こうと思ったのですが、長くなりそう&昼休みもう終わりなので、とりあえずこれくらいで。
関連エントリ
ネットを使った卒論のためのアンケート調査について思うところなど(08/06/25)
間違いを認めること(08/09/24)
※9月27日 13:40訂正:コメント欄での名無しの権左衛門さんのご指摘に基づき、不適切と思われる一文「こんなキモヲタ・童貞の相手なんて気持ち悪いでしょうし。」を削除しました。

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