資格問題

再試験、そんなに嫌ですか?

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本音のところはともかく、建前上は「必要最低限の能力を保証する」ものだと思うのですよ。いや、本音のところはともかく…ですよ。そうじゃないと資格試験を課す意味はないですよね。


何の話かって?もちろん「臨床心理士資格試験」のことですよ。何で突然こんなことを言い出すのかというとですね、今、巷で話題の国家資格化がらみで「臨床心理士が国家資格になった場合は、現行の臨床心理士資格保持者はスライドで国家資格保持者になるのではないか(つーかなってほしい)」という意見をしばしば目にするからです。
ちょっと前の話ですが、臨床心理士デスマのつぶやきBlogの6/18のエントリ、続報・心理職法案の一本化のコメント欄でディープインパクトさんという方がこんなコメントを書かれていますよ(※以下の引用部分は原文のごく一部ですので、全体的な文脈をご理解されたい方は当該コメント欄をご覧ください)。

 我々学者の間でも、貴方の言われるように、法制局で問題になるという方と、スライドという方とがおられます。
 常識的に考えれば、誰でもがスライドなどないと考えるでしょう。しかし、日本臨床心理士会は当初より、後者でスタートしたと聞いております。
 我々の考えを覆すような大きな力が動いているように感じてなりません。

「我々学者の間でも」という辺りがやや香ばしさを漂わせておりますが…。中略でさらに引用。

 しかし、実際のところ下駄を履くまで分からないものですかね。
 どうも、貴方のコメントはどこかの助教授や様々なところからのつぎはぎのような感じがしてなりません。
 私は、スライドの可能性はあると感じています。

この方が「スライドの可能性はある」とおっしゃているその根拠、実はこの段階ではどこにも示されていません。こんな方にもデスマさんは(少なくとも表面上は…って「少なくとも」とは失礼な表現ですな>自分)真摯に対応されています。その真摯な対応を受けて、この方はさらに暴走されます。

 私の周りでは、相対的にではありますが、資格試験を受けていない人達は、我々の教育分析や、SVをしてくださっている方々、後輩を育てている方が多いと感じます。
 TVのドラマになったり、小説に臨床心理士が多く登場したり、臨床心理士は河合会長をはじめとして、これまで地道に実績を積み上げてきたものと自負しております。
 制度的な公正.公平といいますが、そのようなものが、公正.公平というものが実体として存在するものでしょうか。世の中、あらゆるものが不完全なものです。
 最後になりますが、それ程、あなたのおっしゃるように「受験」に関しては私の知る限りはクローズアップはされていないと感じますが。

ツッコミどころ満載です。ネタ提供感謝します>ディープインパクトさん。
まず初めの段落について。これとよく似た話に「今、現場の第一線で活躍されているベテラン心理士はほとんど学部卒である」→「修士修了を必須条件とするのは単なる学歴至上主義である」という主張がありますが、これほどばかげた話はありません。何十年も前から心理職をしているようなベテランと今現在、トレーニングを受けている人を同列で語ることに何の意味があるのでしょうか?心理職を巡る状況は数十年前と現在は全く別物のように変わっているはずなのに。
で、冒頭、私が述べているところに繋がるわけですが、少なくとも資格試験というのが最低限の能力を保証するためのものだとしたら、ディープインパクトさんがおっしゃるところの「我々の教育分析や、SVをしてくださっている方々」であれば、再試験になっても余裕で合格できるんじゃないですか?もし合格できないとしたら、最低限の能力も持っていないというだけの話ですよね。
もちろん、「資格試験が最低限の能力を保証する」なんてのは本当に建前でしかないことは私も理解しておりますよ。でも、あの程度の試験に合格できないようなアフォは臨床やっちゃダメでしょ?その程度の情報処理能力もない人間が心理臨床に関わってるのは犯罪でしょう
あと、あまりにも面白いので他の部分にもつっこんでみますよ。
TVのドラマになったり、小説に臨床心理士が多く登場したり」って(笑)。私はあんまり臨床心理士が出てくる小説って読んだことないんですが、少なくともドラマの中で臨床心理士がまともな描かれ方をしていたのは見たことないんですけど。それって私だけですか?誰か臨床心理士がまともな形で出てくるドラマがあったら教えてくださいな。
つーかそんな馬鹿げた根拠で「臨床心理士は河合会長をはじめとして、これまで地道に実績を積み上げてきたものと自負しております。」なんて言われた日には河合会長も浮かばれませんよ…って勝手に殺しちゃいけませんね。ところでこの「自負しています」の主語が「ディープインパクトさん」なのか「臨床心理士」なのかも気になるところです。
最後に、「「受験」に関しては私の知る限りはクローズアップはされていないと感じますが。」とおっしゃっていますが、じゃあ何で「スライドの可能性はある」なんて言えるんでしょうね?なんだか結局まともに根拠は語られていないので「結局それってあんたの願望なんじゃねーの?」と思った次第でありました。
ま、何にしても、もし再試験になった場合には「間違って合格してしまったアフォ臨床心理士」を淘汰する絶好の機会なわけで、是非ともスライドだけは避けていただきたいと思います。
ってここまで書いて気づいたんですが、今現在はどういう流れになっているんですか?少なくとも私が知る限りでは「スライド or 再試験」というのは、あんまり話題に上ってないよう気がするんですが…その辺、教えてください、偉い人!(←いつも他力本願なロテ職人なのですた)。

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