心理・精神医学本

北山修『最後の授業――心をみる人たちへ』

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これ出てたんですね。

最後の授業――心をみる人たちへ 最後の授業――心をみる人たちへ
北山 修

みすず書房 2010-07-22
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このマス・コミュニケーションの時代に、私たちは一人の、パーソナルな心を取り扱う専門家であることを強く意識して、仕事をまっとうしたい、まっとうしてほしいと思う。――毎年、心の問題に関心を寄せ授業に訪れる新しい学生たちに向けて、著者は繰り返しこの本質的な心構えを伝えてきた。ここには、精神科医であり、かつてミュージシャンとしてマスコミを深く体験した著者の特別な思いがこめられている。

インターネットや映像メディアの発達によって、劇場的なコミュニケーションがますます高度化する一方で、私たちは、その裏側にある見えないもの、見せられないもの、見にくいものについて、そして心の裏や傷つき、死について、想い考える時間・空間を失いつつあるのではないか、そう著者は問いかけつづけてきたのだ。

2010年春の九州大学退官を前に、学生たちに向けて行った「最後の授業 テレビのための精神分析入門」と「最終講義 〈私〉の精神分析」ほかを収録。二者間の内的交流を重視する対象関係論の論者として、『古事記』や「鶴の恩返し」などの神話や昔話に紡がれた男と女、母親と子ども、そして日本人の「心の台本」を読み取ってゆく。

連想と「置き換え」にあふれる冒険的な授業からは、“人生について共に考え、自分の物語に自ら意味を与えて生きてゆこう”と謳う著者の声が聞こえてくるようだ。

ということで、NHK教育で7月26日(月)‐29日(木)に放送された「北山修 最後の授業」の内容が収録された本です。

番組も視よう視ようと思っていて、結局見逃してしまった…という私と同じような方にはお勧めかもです。

備忘録的に、と。

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