臨床心理学

少年の凶悪犯罪に臨床心理学的立場から言えること

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昨日、こんな事件がありました。


 


最近、少年の凶悪犯罪というのをニュースで目にする機会も多いですし、特にこの事件に関しては

府警や関係者によると、少年は精神科に通院中だったという。

ということで、何らかの精神科疾患を持つ者による犯行であったという可能性もあり、そういった意味では精神科疾患と凶悪犯罪との関連をも示唆する事件であるかもしれません。

最近はあまりテレビは見ないのでわかりませんが、少なくとも少し前まではこうした事件が起こるとテレビのニュース等ではよく見る面々がコメントしていたりしました(小田某とか香山某とか…ちなみにこの人たちは心理学者ではなく、精神科医であり精神病理学者なわけですが)。

で、実際臨床心理学を専門としていたりすると周りの人から「あの事件って心理学的に見てどうなの?」とか「あの犯人の心理ってどうなってるの?」と質問されることもないわけではありません。私はそういう時は必ずこう答えることにしています。

「実際に犯人に会ったわけじゃないからわからない」

「こうかもしれないっていう仮説は立てられるかもしれないけど、責任を持った発言はできないからコメントは差し控えさせていただきます」

と。

私は一応、精神鑑定がらみの心理検査も何度かしたことがあるんですが、そうやって多くの検査をしたってわからないことは多いんです。で、鑑定医も丹念に被疑者と面接をして、膨大の量の情報に基づいて鑑定結果を提出するわけです。

本来であれば、それだけ入念な情報収集が必要なのに(それでもわからないことは多々あるのに)、テレビとかの伝聞情報を元に確信を持ったコメントなんてできるわけないじゃないですか。

テレビでコメントしている人たちも、「~かもしれない」「~な可能性がある」という形で発言しているのかもしれません。ただ、自分の発言がどう編集されるかは実際のところわからないこともあるわけです。そうした中で発言するというのは非常に無責任であり、見方によっては「売名行為」に見えてしまったりします。科学的思考に基づいて責任を持った発言をしようと思ったら、私が上で挙げた程度のことしか言えないはずです。

また、こうした有識者・専門家と呼ばれる人たちによるコメントが、人々の不安を軽減するという効果も否定はできません。ただ、それならむしろそういった人たちが「なぜ不安になるのか」を問題にし、それに対する積極的な対処を考えた方が建設的なのではないかと思います。

大切なのは、無責任な仮説を垂れ流すことでは決してないはずです。

#というわけで、色んなブログでこの事件については既に触れられていたので、「なぜ?」という疑問を発しているところを中心にトラックバック送ってみました。こういうのってありなんですか?「なし」だとしたらなかったことにしてください>TB先の皆様

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