臨床心理学

心理臨床実践における「テクニック」とは(2)

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takashiさんのさいころじすと日記へ再トラックバックです。ご丁寧な解説ありがとうございました。ちょうど先日、某所で「心理臨床というのは技術である」という私の主張を巡って議論をしていたので思わず「テクニック」という言葉に反応してしまいました。

さて----

Lambert, M. J. 1992 Psychotherapy Outcome Research:Implications for Integrative and Electic Therapists. Handbook of Psychotherapy Integration.

では、過去40年にわたる心理療法の効果研究(要因統制研究、メタ分析)を分析した結果を踏まえ、心理療法の効果において「何が効いているのか」について以下の結論を示しています。


1:治療外の要因(Extratherapeutic Change)----40%

  • 偶然の出来事、クライエントが元々持っている強さ・リソース・能力。

2:共通の要因:治療関係の要因(Common Factors)----30%

  • 受容・共感、思いやり、はげまし、クライエントの治療への関与の質、セラピスト・カウンセラーとクライエントとの関係性、治療法についての同意など

3:希望・期待(Expectancy、Placebo effects)----15%


4:モデルと技法(Techniques)----15%

  • 特定のモデル・技法・テクニックが持つ効果

恐らく、このLambertの研究もメタ分析を用いたものだと思うので、そう簡単には反論できないですよね(w

ただ、takashiさん自身もご指摘されているように、この「2:共通の要因」というやつがくせ者ですよね。元の文献を参照してみないと確実なことは言えませんが、私が述べている「技術」としての「共感」だったり「受容」だったりというのは、かなりこの「共通の要因」に含まれるのではないかと思います。

さらに「4:モデルと技法」ですが、これは「A(例えば認知行動療法だったり)というモデル・技法を用いていること」そのものなのではないかと…つまりある技法に基づいていることそのものが持つ効果なんじゃないかという気がします。

うーんこれは改めて元の文献に当たってみる必要がありそうですね。amazonで注文してみますか。

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