臨床心理学

私が臨床心理士になっている理由(2)

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6/28のエントリ、私が臨床心理士になっている理由(前編)のコメント欄で、臨床心理士の子育てブログ~いろんな子供を育てようの千尋さんからこんなコメントいただきましたよ。

高校生だった頃、「心理学」の存在自体知らなかったような気がする私としては、ロテさんがなぜその本の存在に気が付かれたのか興味津々です~。

うーん…なんででしょうね?


思い返してみると…まあよくある事だと思いますが、私、中学校の頃は「田舎の秀才」でした。で、高校に入ってみて気がつきましたよ。自分で言うのも何なんですが、まあ今さら取り繕っても仕方がないので正直にいきましょう。気づいたのは「自分は頭がいいと思ってたけど、どうやらそんなことはなかったらしい」ということでした。
もちろん「勉強が出来る=頭がいい」ってわけじゃないんですが、少なくとも自分よりもよほど勉強が出来る人間がいるということに結構な衝撃を受けましたし、それは私にとっては強烈な挫折体験だったのだと思います。
まあ、それで衝撃を受けたからと言って不登校になるわけでもなく、友だちと馬鹿話をしたり、部活に励んだり、恋愛したり失恋したりしてたわけなんですが、ただ「頭が良いってどういうことなんだろう?」ってことはよく考えてました。
そんな時ですよ。この本を見つけたのは。

4004120705 天才
宮城 音弥

岩波書店 1967-02
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もちろん、この本を読んだからと言って「頭が良いってどういうことなんだろう?」ってテーマの答えは出ませんでした。この本、病跡学(パトグラフィー)の本なんですよね(実はその時点で心理学じゃないんだけど…)。
病跡学とは…

「簡単に言いますと、天才を精神医学の視点で分析する学問でよろしいかと思います」

『創造の秘密』を解き明かすために。
 われわれ精神科医は、なんでも病気にすると言われますけれども(苦笑)、われわれは病人を差別しないためにも『天才の“作品”も患者さんの“症状”も同じである、なにかの代償として出てくるという点では、同じである』という視点をとっているんですね。そう言う意味で、天才の生活歴や病歴などを研究していくと、いろいろ興味深いことが見えてくる。

Yahoo!ブックス - インタビュー - 斎藤環より
ついでに当時、こんな本も読みました。

4061457217 天才―創造のパトグラフィー
福島 章

講談社 1984-01
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この辺で(勘違いして)「心理学って面白いかもしれない!」と思ってしまいました。
あとは何だろう…小学校の頃、えらく早熟というか、それこそ当時の私から見て「頭が良い」と思ってた友だちがいたんですが、彼は小学生の時からしきりに「心理学はカッコイイ」と言ってました。もし今の私が過去に戻ったとしたら、速攻で「んなこたぁない」と否定しますけどね。
私の母親は母親で「これからの時代、ストレスが増えるから心の悩みを抱える人が増える→精神科医が流行る」と私が小さい頃から言ってました。まあ、その予想は大きく外れてはいなかったと思いますが、なんだか今こんなことになってますよ>ママン
高校時代は色々悩みながら(そして今にして思えば心理学について勘違いしながら)「とりあえず心理学がやりたい!」という考えに基づいて進路選択をしていったのでした。確か高2の頃には既に第一志望は心理学科のある大学に絞られていたと思います。
上で書いた「過去に戻ったとしたら」ではないですが、もし当時、現在のようにインターネットが普及していたら…私はどうなってたんでしょう?ひょっとして…というかきっと、自分の勘違いに基づく知識を盾に、私みたいなおせっかいな大人と勉強そっちのけで議論してたかもしれません。で、打ちのめされてやる気をなくす…と。そう考えると、私の周り(ってか当時の高校生なんてそんなもんでしょうが)に心理学についての知識が乏しかったのは良かったのかどうか…。
…うん。良かったんだと思います。とりあえず「心理学科で精神分析を勉強したい!」とか「この先生の講義が受けたい!」とか思って進路選択するのではなく、当時の自分の能力で入れる最も偏差値の高い大学選んだのは正解だったと思います。
なんだか長くなってしまいましたが、このシリーズさらに続けます。こんな自分語りを読んで面白いと思う方がいらっしゃるかどうかはわかりません…というか、ほとんどオナニーみたいな文になってしまっているわけですが、基本的にここは私にとっての公開オナニーの場なので、無問題ということで一つよろしく。

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