臨床心理学

鳥取大学医学部が「臨床心理学分野」を設立

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07/01/05のエントリ、浜松医大・阪大・金沢大・中京大の連合大学院「子どものこころ発達研究科」でもちょこっと触れた話題なんですが、鳥取大学医学部の大学院医学系研究科保健学専攻修士課程に「臨床心理学分野」が設置されることが決定したようです。
全国初 鳥大医学部が「臨床心理学分野」を新設(日本海新聞)
記事よりコピペ。

鳥取大学医学部(鳥取県米子市西町)の大学院医学系研究科保健学専攻修士課程に「臨床心理学分野」が、二〇〇八年度に新設されることが四日、分かった。臨床心理士が不足している県内の現状が背景にあり、医療系の大学院では全国で初。
同日、鳥取市内で開かれた同大学と鳥取県教委の意見交換会で明らかになった。
同分野は臨床心理士の養成を目指すもので修業年限は二年。井上貴央医学部長は、医療が多様化する中で精神・心身医学でも臨床心理士の役割が増していると指摘。「ニーズが非常に高い。入学定員など募集要項を近日中に発表したい」と説明した。

これ…いわゆる「指定大学院」であるとは明言されていないんですが、一応文脈的には指定大学院ってことでいいんですかね?
役割が増しているというのにはまあそれなりに同意しますが…お決まりの「ニーズが非常に高い」ってのはやっぱりどうなんでしょうかねえ?

県教委も悩みを抱える生徒の増加に対応しようと本年度、臨床心理士の資格を持つ常勤の教育相談員二人を公募したが、一人しか採用できていない。県教委の山口和彦参事監は「県内で有資格者が少なく、県教委も配置に苦労している。臨床心理学分野の新設は非常に心強い」と歓迎した。

とあるように、ニーズが高いのに人がいない…というよりは、臨床心理士有資格者が都市部に集中し、仕事が極端に少ないのと対照的に、地方では極端に有資格者が少ないという「格差」が根本的な問題なのではないかと思いますよ。つか、「医療の地域格差」なんて問題は近年かなり顕著になってきているわけで。
臨床心理士においても顕在化してきた地域格差を是正するためには、地方で心理士の養成課程を増やすよりも都市部から地方へ心理士が異動しやすい体制を作った方がいいんじゃないか…とも一瞬思ったのですが、それはそれで難しいことがたくさんありそうです。
当然のことながら都市部での方が研修やSVを受ける機会が多いでしょうし、特にぺーぺー心理職にとってはその辺は死活問題になってきます。んで、地方に住む方が都市部よりはお金がかからないとは言え、転居するにはお金が必要だしペーペーにその資金が捻出できるのかというと…
うーん…。
ともあれ、医学部の中に心理士養成課程ができるということは色々な意味で良いことですし、注目に値すると思います。鳥取大学の今後に注目したい次第であります。

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