心理・精神医学本 研究と臨床 臨床心理学

カウンセリングの効果研究本。そして臨床家として必要なもの

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12/09/15のエントリ、【日心臨2012】新幹線間に合った #ajcp2012にて山本山さんからこんなコメントをいただきました。

山本山 12-09-27 (木) 18:08

こんにちは、はじめまして。私はカウンセリングの道に進むべきか迷うものです。臨床心理特にカウンセリングの効果の有無について書いた本はありませんか?blog主自身は効果についてどうお考えですか?

また臨床家として、必要なものはなんでしょうか?

質問が多くてすいません。

見やすいように改行は改変させていただきました。そして何でこのエントリでこのコメント?という気もしますが、多分一番新しいエントリだったからなのだと思います。

さて、とりあえず「カウンセリングの効果の有無について書いた本」について。ちょっと前にも取り上げましたが、この本なんかどうでしょ?

カウンセリングやサイコセラピーを効果的にする要因とは?
クライアントにとって真に役立つ臨床実践を求め,特定の学派に偏ることなくエビデンスを踏まえて探究する。
PCAから精神分析やCBTなど広範にわたる分野を扱い,臨床心理士やカウンセラーをはじめ対人援助職に広く役立つ好著。


これはまさにドンピシャじゃないでしょうか。

ちなみに以前取り上げた時のエントリはこちら。

【これは】クーパー, M. 著 清水幹夫・末武康弘 監訳『エビデンスにもとづくカウンセリング効果の研究』【読みたい】(12/02/15)

…すんません。未だに読めてません。おこづかいが…足りないのです…。

自分が読んでないのにこんなことを言うのも何ですが、多くの皆さんに是非読んでいただきたい本だと思うわけなのです。

で、もう一つの質問ですよね。「臨床家として必要なもの」について。

これはもう「臨床家としての能力」に尽きるんじゃないでしょうか。細かく言えば「面接能力」だったり「アセスメント能力」だったり、個人的には「研究能力」も加えておきたいところですが。

もしかしたらこの中に「人生経験」とか「優しさ」的なことを付け加えたい人がいるかもしれません。でもワタクシはその辺りの要素というのは、上記の能力に影響を与える場合はあるかもしれませんが、必須ではないと思うのですよね。場合によってはそれらが能力の足を引っ張る可能性もあるかもです。

そして「研究能力」についてですが、臨床家は将来的には自分が得たもの(「面接能力」とか「アセスメント能力」とか)を他者へと伝える必要があると思うのです。それをしないと「その人だけのもの」で終わってしまうわけですから。当然、それらは「技術」ですので名人芸的な要素もありますが、それでも他者に伝えることが可能な部分は多いはずです。そういう伝える作業をしていく際に「研究能力」は必須なんじゃないでしょうか。

…とまあ、この辺りが現時点でのワタクシの考えです。「現時点」と言いましたが、少なくともここ数年はこうした考え方は変わっていないはずです。こんな感じでいかがでしょうか?

もしまた何かありましたらコメント欄等にて遠慮なくどうぞ。山本山さん以外の方でも。

時間があったら対応いたします。色々忙しい時期もあったりするので、対応できなかったときはごめんなさいってことでよろしくお願い申し上げます。

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