少し前のブログ記事ですが、こちらなかなか興味深かったです。未読の方、まずは読んでみてください。
・教員の多忙問題をどう解決するか:「やりがい」で多忙は解消しない(脱社畜ブログ)
ブログ主さんの主張の中心はこちら。
「教員」の仕事を特別なものでなくすることを僕は主張したい。
具体的には、教員は「勉強」にまつわることだけ担当すればいいのではないだろうか。
確かに少なからずうなずける部分のある意見だと思います。
そしてその具体例として挙げられているのが…
生徒間のいざこざ解消であるとか、悩み相談のような業務は、そういう専門家が担当すればいい。今まで「担任」や「生徒指導」の教師が担ってきた役目を、それだけを専門に行う人がやるようになる。適切な資格はちょっと思いつかないが、必要なら新設してもいいだろう。少なくとも、こういう業務をする人が、授業を担当する必要はない。
一瞬、それってつまりスクールカウンセラー(以下SC)とかスクールソーシャルワーカー(以下SSW)のことじゃね?と思ったんですが…果たして、今、「担任」や「生徒指導」の教師が担っている役割をSCやSSWが担うことは可能なのでしょうか?
確かに、一部は可能でしょうし、実際に今もSCやSSWが担っている部分はあると思います。あと、養護教諭(保健室の先生)が担っている部分もあるでしょう。
しかし、やっぱり教師が生徒からの相談を受けるのと、SCが生徒から相談を受けるのとでは、根本的にその意味が異なるのではないのでしょうか?
いや、学校臨床の領域ではそんなことは常識なのかもしれません。一応、SC経験のない、病院臨床しか知らない一臨床心理士の意見としてお聞きいただければと思うののですけれどもね。
なんか上手く言えないんですが「担任の教師に相談することの利点」と「SCに相談することの利点」って違うような気がするんですよねえ…どう違うんだ?と言われたら…既に晩酌済みのワタクシではやっぱり上手く言えないっす。
ブログ主が「適切な資格はちょっと思いつかないが」と言っていて、あえてSCには触れていないのは、ひょっとしてそういった意味も…ってのは多分考えすぎですな。
あと、世の教師志望の若者は、果たして「勉強だけを教えたい」と思って教師になるんだろうか?そうじゃないと思うんですよねえ。
部活の顧問や指導者に関しては、外部委託するのは大賛成です。もし教師でそれをやりたい人がいるならば、外部委託するのと同じ条件でその仕事をすりゃあいいわけですし。
そう。仕事を減らすことは重要。
ただ…
『教師の多忙感を「やりがい」と「充実感」に』みたいなことが書いてあったが、『あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。』という本を書いた人間としては到底賛成することができない。「やりがい」という言葉でで過酷な労働条件を誤魔化そうとするのは、ブラック企業と変わらない。
“多忙感を「やりがい」”にってのは確かに私も大反対です。ただ、やりがいがなくてもいいのか?となると、特に教育という領域においてはやっぱなかなか難しいと思うんですよね。「勉強を教える」=「やりがい」って人もいるだろうけど、そうじゃない人もいるわけで。
教師の仕事を減らすにしても、どんな仕事をどう減らすのかは重要だと思うのです。
この辺に関してはSC経験者の意見をおうかがいしたいところでございます。