今日はなーんか書く気がしないんですよねえ…
…ということで、いつか紹介しようと思っていた書籍のストックから。
この本、神経心理学を専門とする人のみならず、(特に病院臨床で)心理アセスメントに携わる人には是非読んでいただきたい一冊。
現代に蘇るジョン・ヒューリングス・ジャクソンの“神経哲学”
「ジャクソンてんかん」などにその名を残し、英国では神経学の父とされるジョン・ヒューリングス・ジャクソン。中枢神経の“進化”と“解体”をキーワードに神経症候の表れかたを分析するという独特な彼の視点は、机上の空論ではなく臨床医としての確かな経験に立脚したものだった。没後百年後も色褪せることなく、現代の臨床家にとっても示唆に富むであろうジャクソンの思考を、本邦を代表する神経心理学者がひも解く。
出版社の紹介ページでは目次の他、「はじめに」も読めますよ。
・ジャクソンの神経心理学(医学書院)
なかなか面白い本を連発している『神経心理学コレクション』シリーズの、2014年5月に出た最新刊です。
私がどれだけ言葉を尽くしても、この本の価値はなかなか説明できなさそうなので、「はじめに」より引用(いや、決して手抜きではありませんよ)。
心理と神経の関には越え難い溝が存在するからである。しかも,この溝をどうみるかについて,誰もまともには教えてくれない。
Jacksonはまさにこの問題への対処の仕方を教えてくれた稀な人である。臨床的事実のあれこれの正しさや誤りでなく,臨床的事実にどう立ち向かえばよいのか,という方法論を提示してくれている。神経心理学というわけのわからない領域でうろうろしているわれわれにとってはかけがえのない案内人なのである。ぜひ,こうした案内人がいたことを知ってほしい。名前だけでなく,何をどう案内してくれたのかも知ってほしい,というのが筆者の願いである。
Jacksonは宝の山である。何を掘り出すかは読者に委ねられている。神経心理学,神経内科学,神経精神医学,精神医学,リハビリ医学,臨床心理学,あるいは脳科学など専門分野を問わず,心理現象を相手にしている者ならば誰であっても,彼の思想は必ずどこかで何かの役に立つはずである。
本書の題名を『ジャクソンの神経心理学』とした。彼が目指したのは,まさに神経と心理の相関の解明であった。当時,神経心理学という言葉はまだ誕生していないが,本書の題名としたい。
そんなわけで、興味がある方は是非ともどぞー。