読者の皆様、お久しぶりでございます。またまた久しぶりのブログ更新になってしまいました。
7月は4回しか更新できませんでしたよ。しかも、7月9日までに4回更新してそれからは更新停止ですから、息切れ感がハンパないわけですが、気にせず行きましょう。
さてさて、ずいぶん前にお送りいただいた本でご紹介するのが大変遅くなってしまいました。お送りくださった出版社の担当の方、そして著者様にお礼とお詫びを申し上げます。
こちらの本をご恵贈いただきました。
心理学で、恋の重み、愛の深さを測ってみませんか?
恋愛心理学研究の最前線をエキサイティングに解説!
科学的な心理尺度であなたの恋愛傾向が測定できます。〜心理学実験・調査でここまでわかった恋愛の真実〜
★愛情偏差値・尊敬偏差値・友情偏差値を知る
●女性を美しく見せる「ロマンティックレッド」
★「愛の吊り橋効果」の種明かし
●イケメンの前では少食になる戦略的自己呈示
★上手な別れ方・失恋からの立ち直り方
●デートバイオレンス・ストーカー予備軍の見分け方
......etc.
出版社の紹介ページからは、「はじめに」「目次」と「第1章 愛を測定し診断する心理学」の序盤が立ち読みできますよ。
いやいや、これはなかなかすごい本だと思います。
著者の越智啓太氏は法政大学文学部心理学科教授で、ご専門は“プロファイリング、虚偽検出など、犯罪捜査への心理学の応用”で“現在は主にデートバイオレンス、デートハラスメントと恋愛行動との関連やストーカーの危険性測定などについて研究している”(著者紹介より)とのこと。
そして、当ブログ的には大ヒットを記録した『心理学の「現在」がわかるブックガイド』の共著者であり、以前『美人の正体 外見的魅力をめぐる心理学』もご紹介させていただきました。
・【ご恵贈】服部環監修・越智啓太・徳田英次・荷方邦夫・望月聡著『心理学の「現在」がわかるブックガイド』【御礼】(11/04/13)
・【ご恵贈】越智啓太著『美人の正体 外見的魅力をめぐる心理学』【感謝】(13/10/09)
本書は専門書というよりは一般向けの書籍かと思いますが、特に心理統計を学び始めた大学生にはオススメの一冊なのではないでしょうか。
全体的に、恋愛方面の社会心理学的な最新の知見をわかりやすく、かつ骨太に紹介しているわけなのですが、コラムも充実しておりまして。その内容が「偏差値とは何ですか?」とか「統計的に有意な差とは何ですか?」といった心理統計の基礎の基礎から、紹介されている研究内容を理解するのに必要な「相関係数とは何ですか?」「心理尺度とはどういうものなのですか?」「回帰分析、重回帰分析、ロジスティック回帰分析とは何ですか?」といった統計手法や心理学研究法に至るまで、幅広いものになっております。
詳しい内容については実物を読んでいただくとして、このコラムだけでも、とかく難しさが強調される心理統計へのとっかかりとしては最適なのではないかと思います。
そして、多くの若者が興味を持つテーマである「恋愛」ですよ。紹介されている研究は様々な統計手法が用いられているわけですが、心理統計の講義でこの本を取り上げることで、それぞれの統計手法が実際の研究ではどのように使われるか、理解しやすくなるのではないかとも思います。
いや、実際にほとんどの先生方は当然のごとくその手の方法を使ってらっしゃると思うんですが、やっぱりテーマが「恋愛」であるだけに学生の食いつきも違ってくるんじゃないか思うのですよ。
そして、テレビや雑誌のみならずネット上にも通俗心理学がはびこっている昨今、こうした「まともな」恋愛研究を取り上げている心理学本がちゃんと売れることは、一般に対する心理学そのものに関する啓蒙活動にも役立つのではないでしょうか。
そんなわけで、多くの方にお読みいただきたい一冊です。興味のある方は是非ともポチっとどーぞ。
これを機にまた更新復活していく所存でございます。ボチボチやっていくので、よろしければまたお願いいたします>読者各位