臨床心理学

「食育」が気になる その3

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久しぶりに「食育」がらみのエントリですよ。
関連過去ログはこちら。
「食育」が気になる(05/10/13)
「食育」が気になる その2(05/10/14)
離乳食の頃(05/10/14)
抑うつ傾向および学校不適応と食行動の関連?(05/10/17)
読売新聞のYOMIURI ONLINE、教育関連の連載「食育を担う」の第13回ですよ。「室田洋子さんに聞く…食卓で養う対話力」だそうで。
インタビューを受けている室田氏は

お茶の水女子大学大学院修了。東京都杉並区立済美教育研究所教育相談員、桜美林大学講師などを経て、現在、聖徳大学教授、多摩大学講師。孫が4人いる。

という方。臨床心理士でもある室田氏が食育をどう語るのか…ツッコミいれつつチェケラですよ。

食卓でのコミュニケーションこそ食育だと室田洋子さんが説く。

「あえて極端に言えば、家族との食事は、かかわりを食べるようなもの。胃袋を満たす食材は、ついでのことです。食卓は、会話やしぐさや態度を通して、かかわりの勘を、言語によらないで身につけていく場所。コミュニケーションの質を考えてほしい」

確かにその通りではありますな。でも別にそれは食卓に限ったことではなく、家族でのコミュニケーション全て大事なのでは?って感じもしますが…てか、そういう話をすると「食育」という枠を超えて「教育」ということになるわけですが、やっぱりなぜ食卓でのコミュニケーションに限定されてしまうのかが謎。

臨床心理士として、様々な家庭を見続けてきた。家族を巡る事件にまた、スポットが当たる。

「事件になりそうな家庭をずいぶん立て直してきました。そういう家庭の食卓はコミュニケーションが乏しい。注意され、管理され、心が凍らされる場でしかない」

立て直してきました」だそうです。すごいっすねw
そういう家庭の食卓でコミュニケーションが乏しいのはそうなんでしょうけど、それ「食育」でどうなるって問題でもないと思うわけです。

JAなどで作る「朝ごはん実行委員会」が昨年、「現実の朝食」と「理想の朝食」を小学生に絵に描いてもらう調査を実施、その分析を引き受けた。電車の中で1人でおにぎりを食べる小学校5年生、4人がけの食卓で1人チョコパンを食べる小学校6年生――。“孤食”の実態が浮き彫りになった。

10年ほど前のこうした調査では「“孤食”はさびしい」だったという。しかし、今回の絵からは「“個食”は気が楽。誰かと一緒の食事は疲れる」という傾向さえ見られるという。

実はこの「朝ごはん実行委員会」(どんな委員会?)の調査が一番ツッコミを入れたい内容だったりするわけで。次回それはやります。興味のある方は予習wしておいてください。
小学生の朝食絵画調査
てか、実は結構絵画好き(っても絵が上手いわけではないっす。臨床での絵画が好き)で、その辺の研究なんかもボチボチやっていたりする私からすると何だかなぁという感じがする調査です。次回触れます。
で、実態がそうなのであれば“孤食”“個食”にならざるを得ない社会状況ってのを考える必要はあるんじゃないかと思うですよ。余裕があってそういうことになってしまうのは論外ですが、必ずしもそうではないと思うのですよね。
食だけ変えても仕方がないですよ。食べ物で全てが解決するのは『美味しんぼ』の世界だけですよ。…ってのはきっと室田氏もわかってはいるんでしょうけれども、それをなにかねじ曲げてしまっているような「食育」というのがやはり気になって仕方がない私なのです。
なんかコピペもめんどくさくなったので続きは割愛(つーか、そんなにツッコミがいのある内容でもないので)。
次回は小学生の朝食絵画調査にツッコミを入れますよ。

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