心理・精神医学本

【タイトルが】滝川稚也著『実践 生徒を眠らせない性教育授業』【すげえ】

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個人的に「性教育」と聞いて思い出すのは、ワタクシが小5くらいの時?の自分の母親のエピソードです。

これはもう全く自慢にも何もならないことなのですが、私は多分、小学校2年生くらいの時点で既にセクロス(子どもが出来る原理。コウノトリさんは関係ないやつ)の概念について知っておりました。もちろん実践していたわけではなく、各種文献を通して知ったのですけれども。

環境的に(といっても、別に家庭がすさんでいたとかそういうことではなく)その手のエロチカ本は手に入りやすかったというがあって、小学3年くらいの時点で既に「陰」の字がつく熟語を色々と知っていたりもしました。難しい漢字はエロチカ本で覚えたみたいなところがあったり。

んで、まあわたくしの母親もそういうのに気づいていたらしく、かといって恐らくどう対処していいものやらわからなかったと思うのですよね。

それはちょうどわたくしが5年生になった頃のことでした。アレな感じになっている息子に対して母親がとった行動は「PTAの集まりの際に担任に相談する」でした。「性教育に力を入れて欲しいんですが…」みたいな感じで要望を出したんですね。

それに対する担任であるところの男性教諭の反応ですが、後年の母親いわく「鼻で笑われた」だったそうです。

そして月日は過ぎて、確か私が高校生の頃だったと思います。

ある新聞記事を読んで母親が憤慨しておりました。その記事に載っていたのは、あの小5の時の担任でした。記事によると、まあその先生はその頃には結構偉くなってたらしく、詳しく読まなかったので細かい部分までは覚えておりませんが、どうやらその先生、「小学校での性教育に力を入れている」といった内容だったわけです。

母親的には「あの時はあしらっておいて、今になってこれか!」みたいな感じだったのでしょうね…。

…なんて個人的経験は全く関係なく、最近書店で見つけて、タイトルだけでビシィッ!ときた本がこちら。

学校など,教育現場で性教育に携わる先生方を対象に,特に理系知識に不得手な先生にも授業に役立てられる正しい情報の提供,さらに短時間で正しい良質の医学情報を入手する方法をも提示。

ね?インパクトのあるタイトルでしょ?

出版社のページには「推薦の言葉」の一部が載っています。そちらもガッツリと引用。

2011年(平成23年)の今,日本のスクールカウンセリングは大きな回転を迎えつつある。ひとつは,これまでのような個室内での「身の上相談風の面接」「問題の後始末の面接」から脱却して,「授業型カウンセリング」「予防・開発的スクールカウンセリング」を導入する時代になりつつあること。この動きから生まれたのが滝川稚也著の本書である。

授業型カウンセリングには「構成的グループエンカウンター」「サイコエジュケーション(心の教育)」など10種を超えるものがある。産婦人科医の滝川は「前書き」にあるような経緯で,これら新しいスクールカウンセリングの方法を活用し,その成果を語っている。

その骨子である,構成的グループエンカウンターのシェアリングを活用した情報提供の仕方は子供達の「思考・感情・行動」の成長に役立つというところである。「こうしたらこうなる」「そうしたらそうならない」という事実を語ることも,スクールカウンセリングなのである。傾聴や共感だけで教育指導ができるものではない。その事を,本書は伝えている。

スクールカウンセリングの大きな回転のもうひとつ,それはこれからのスクールカウンセリングは学校以外の諸機関とも連携しないとやっていけない時代が来たということである。虐待,非行,性教育,子どもの携帯電話などへの対応がそれである。文部科学省は,「子どもを見守り育てるネットワーク」のプロジェクトを展開中であるが,その骨子は本書の示すように,「医療の滝川が教育にサービスし,教育の國分が医療にサービスする」という交互乗り入れ・共同作業の図である。本書はそのさきがけといえる。

…ということで、この「推薦の言葉」は國分康隆・久子夫妻名義となっております。

そして著者の滝川氏は産婦人科医であり、公式ホームページを持っているらしいっす。

滝川稚也(たきかわまさや)公式ホームページ

そう。11/09/05のエントリ、『医療従事者のための モンスターペイシェント対策ハンドブック』でご紹介したあの本の編著者でもあったりするわけです。あちらは「JA徳島厚生連阿南共栄病院教育委員会」名義ではありますが。

とりあえず、目次を見ると最初が「構成的グループエンカウンターとはなにか」とありますし、カウンセリング要素は多そうな本ですが、SCで性教育の授業をする人って…あんまいないですよね?

どちらかといえば教諭向けかとは思いますが、興味のある方は是非ともどぞー。

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