過去ログはこちら。未読の方はまずはそちらから。
・【日心臨2012】いまさらだけど書籍展示で気になった本を取り上げてみるよ その1 #ajcp2012(12/10/04)
昨日に引き続き、気になった本のご紹介です。繰り返しになりますが、紹介のコンセプトは「自分が気になる本」かつ「自分が(あまり)知らなかった本」なので、「なんでこの本が入っていないんだ?」的な部分に関しましてはノークレームでお願いします。
あ、私が気づいていないオススメの本がありましたら、そちらは是非ともご紹介いただきたく存じます。
ではいってみましょうか。
人文書院
公式サイトはこちら。
株式会社 人文書院
http://www.jimbunshoin.co.jp/
哲学・精神分析学・精神病理学などお堅い系統に強い出版社というワタクシの勝手なイメージ。
今回は会場販売していなかったそうなのですが、どっかに委託はしてたような…これとか見た記憶がありますし。
で、ご紹介したいのは上のやつではなくこちら。
主に十代後半から社会人向けの生活ガイド。学校や職場での人との接し方、挨拶や会話の仕方はもちろん、手紙の書き方、電話のかけ方、家族や友人へのカミングアウト、面接、授業、サークル、居酒屋、パーティー、冠婚葬祭など、具体的な場面に合わせて解説します。
この出版社らしからぬ感じの本ではあるんですが、まあ今日的には注目度は高いテーマですよね。
ただ、Amazonさんのカスタマーレビューの低さが気になるところ。確かに訳本ですし、特にSSTのロールプレイにおいては文化的差異はいかんともし難い部分があるのですよね。
新曜社
公式サイトはこちら。
新曜社 ホームページ shin-yo-sha-homepage
http://www.shin-yo-sha.co.jp/
臨床系に限らず幅広い分野の心理学書籍が充実…な新曜社さんなので、まず気になったのは臨床系以外から。
この本は,私たちが社会と向き合い,生きていくうえで大切な心理学について書かれています。伝えたいことが2つあります。まず第一に,心理学の内容です。もう1つは,もっと根本的なことですが,私たちの行動の仕組みを知ることによって,1人ひとりがより良く生きてほしいということです。ここで「良く」という価値が語られますが,私たちがイメージする「良い」とは,「人が生きていくことを邪魔されない」「理不尽に生命を奪われない」ということを根本に置く「良さ」です。このことを逆から表現すると,「誰かに人生を邪魔される人がいる」し,「理不尽にも生命を奪われている人がいる」ということです。
(「序章 この本が伝えたいこと」より抜粋)
そんなわけで中高生向けの心理学本ですね。個人的にガッツリ読んでみたい感じ。
そしてこちらは発達系。
「身体‐脳‐心」をつなぐ人間科学的発達論。心の身体性に注目すると、「生物としてのヒト」の発達過程が見えてくる。
日本発達心理学会編の『発達科学ハンドブック』というシリーズの1冊。やっぱ「心の身体性」って辺りは研究的な部分で気になるのです。ワタクシ的には要チェック。
誠信書房
公式サイトはこちら。
株式会社 誠信書房
http://www.seishinshobo.co.jp/
カウンセリング系に強い印象の誠信書房さん。あとはこれとかでおなじみ。
さて、こちらは会場にありましたっけ?私が見つけられなかっただけ?
2011年3月11日に発生した東日本大震災にあたって緊急に支援を必要とする子どもの心のケアを考える。第一線で活躍する精神保健の専門家による災害時のメンタルヘルスの問題に焦点を当てた入門的マニュアル。
やはり必要です。興味のある方は是非とも。
あとちょっと古めの本ではありますがこちら。
心理療法の実践場面でバウムテストをどのように活かしていけるのかを、各種領域の臨床事例をもとに紹介し、単なる心理テストを超えたバウム利用の可能性を探る実践的研究書。コッホの考え方を基盤に数年来おこなってきた研究会での研鑽の成果をまとめ、日本でのバウムの臨床を深めることに寄与できることを目指した。バウムテストをおこなっている多くの臨床家にとって、自らの心理臨床の幅を広げ深める意味でも有用な書となろう。
バウム使いの人、多いと思います。私はあんまり使わないんですが描画法には興味があるので読みたいっす。バウム使いは必須かと。
創元社
公式サイトはこちら。
図書出版 創元社
http://www.sogensha.co.jp/
なんだろう…イメージ…うーん…いや、有名な会社です(適当でごめんなさい)。
なんと言っても注目はこちらですかね。
1986年から2011年まで、26年間にわたって行なわれた精神科病院での講演録。現場の臨床の真っ只中で常によりよい治療に向けての工夫を重ねてきた著者の、新しい技法発想の萌芽と展開が一望でき、多数の著書の解説としても読める。「誤診と誤治療」をはじめ、「精神療法におけるセントラルドグマの効用」「問題点の指摘の仕方」「臨床力を育てる方策」「フラッシュバックの治療」「双方向性の視点」「治療者の偏見」など、どの講義内容も示唆と警鐘と破格におもしろいアイディアに満ちている。
ファンのみならずこれは注目すべきでしょう。売り場でもかなりの人気だったように思われました。
あと個人的に大注目なのはこちら。
精神医学者の中井久夫氏によって考案され、とても広い領域の心理相談の現場で、シチュエーションに応じて多様な用途で使われるようになっている風景構成法。この心理アセスメント技法は、どのように人間の内面を活き活きと映すのかを本書は描き出す。そして、これまで経験に基づいて使われることの多かったこの技法の、不思議な「からくり」と使い方のポイントを探る。日本心理臨床学会奨励賞受賞論文を再構成した意欲作。
実はワタクシの研究テーマにリンクする内容だったりするので、これはもう買わねばならないのですよ。
東京大学出版会
公式サイトはこちら。
東京大学出版会
http://www.utp.or.jp/
えーと…東大です(ほんと適当でごめんなさい)。心理よりもむしろ政治・経済・社会あたりが強い感じ?
注目は『臨床心理学をまなぶ』シリーズでしょうかね。
その中でも敢えてこちら。
問いを深め、研究をかたちづくるために――心理統計を関連領域にも応用可能な「ツール」として利用する実際の論文を例に、データの分析までスムーズにつながる研究立案のステップをわかりやすくガイド
じっくり読ませていただきたい一冊でございます。
あと同じくシリーズものでは『発達科学入門』も気になるところです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
本日は以上の5社です。またまた続きます。明日もアップがんばりますですよ。