資格問題

コムスンの問題ってのは対岸の火事ではないのでは?

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知識も知恵も足りないわたしが基本的には思いこみに基づいて書いております。事実誤認・論理の破綻等ありましたら、遠慮なくご指摘お願いいたします。
さて…
今さら私が取り上げるまでもなく、コムスンを巡る問題が騒がしい今日この頃であります(それってどんな問題?って人は下のリンク先参照。Wikipedia便利だなぁ…)。
コムスン - Wikipedia
ざっくりとまとめてしまえばコムスンの問題ってのは、介護保険制度の歪みが表面化した問題なのではないかと思うのです。
介護保険制度 - Wikipedia
そして、これまたざっくりとまとめてしまえば、介護保険制度ってのはそれまで公的なものであった福祉制度を一部民間に委託しようってことですよね?言ってみれば「福祉制度を使って営利活動をしてもいいですよ」ってお墨付きが出たわけですが、結局のところ福祉制度で金儲けするのは難しかった…ってのがコムスン問題なのではないかと思うですよ。
で、心理職の国家資格化問題を考えた時、このコムスン問題というのは「対岸の火事」ではないと思うのですよ。


心理職の国家資格化の必要性を論じる場合、その根拠として「心理職の地位を安定したものにすることが重要」とかって話がしばしば出てきます。
「心理職の地位を安定したものにする」ためには、どうしたってどっかからお金を持ってくる必要があると思うのです。そのお金は誰がどこから持ってくるのでしょうか?…って考えた時の「国家資格化」なのですよね。国家資格ってことになるのであれば、少なくともその一部は「国のお金」ってことになるわけですよね。
しかし、本来であれば国家の事業であり、そうでなければ安定したサービスを供給できないような(ってのはコムスン問題からもわかりますわな)介護という分野ですら民間に委託しなきゃいけない状況なわけですよね。我が国というのは。
そんな状況で、心理職に「国のお金」を回すことは可能なのですか?可能だとしたら、そのお金はどこからどんな形で出てくるのですか?
これまでの国家資格化の動きを見てきても、その辺は私にはさっぱりわからんのです。
んで、ひょっとしたらそういう形で「国のお金」を使わないような資格制度であれば、もっと簡単に成立するのかもしれません。んでも、そんな形での資格制度ってのは「心理職の地位の安定」には繋がりませんよね?
…やっぱりよくわからんのです。
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そしてもう一つ。
どこかからお金を持ってくるためには、それ相応の理由というかニーズみたいなものがないといけないですよね。で、これまた国家資格化の問題を論じる際に言われることで「心理職のニーズは高い(or 高まっている)」みたいなことがありますが…本当にそうなんですか?
この点については今まで何度か述べてきているわけですが、未だに「心理職のニーズは高い(or 高まっている)」ということの根拠を明確に示してくださった方はいないように思うのです。
てか、私も「ひょっとしたらそういうニーズが高まっているということは実際にあるのかもしれないなぁ」と思わないわけでもないのですが、でも「子どもの凶悪犯罪は年々増えている」(実際はそんなことないんだけど)みたいな言説を似た臭いも感じないわけではないです。
実際、心理職にしかできない仕事はそりゃああると思います。ですから「必要のない仕事だ」なんて言う気はありません(つーか、そんなことになったら私は職を失ってしまいます)。でも必要だとしたら、一体どれくらいの人数が必要なのか、具体的な数字を見たことがないです。
「国の金」を出させようって時に、そういう具体的な数字も出せないんじゃあ説得力に欠けるんじゃないですかねぇ?唯一それっぽい話って05/07/02のエントリ、恐るべき「医療心理師10万人(5万人?)計画」くらいのものでしょうけれども、これはこれでとんでもない話ですから…。
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その点を踏まえた上で穿った見方をしてしまえば、心理職の職能団体の偉い人たちは「実は国家資格化なんて無理だ」って思ってるんじゃないかって感じがしてくるのです。それが無理であることを知っていながらも、「がんばりましょう!」って言ってなきゃ格好がつかないからそんなこと言ってるんじゃないか…と。
…それって単なる私の被害妄想…ですよね?
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何にしても上記をまとめて…
・国家資格化されるとどれだけ国のお金が使われ、それはどこから捻出されるのか?
・心理職のニーズは本当に高いのか?
・ニーズが高いとしたら実際のところどれくらいの人数が必要なのか?
について誰か知ってる方、いらっしゃったら是非とも教えていただきたいのでございます。「んなこともわかんないの?」なんて意地悪は言わないでくださいませ。

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