資格問題

心病む社会で大活躍…?

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 たまーに巡回しているこちらのサイトで下の記事へのリンクを見つけました。

 asahi.comの記事なんですが、毎回様々な資格を取り上げて紹介している記事のようです。

「気になる資格」 臨床心理士 心病む社会で大活躍

 えーっと…「大活躍」ですか…記事の中では臨床心理士資格認定協会専務理事の大塚タソのスクールカウンセラーに関するコメントも載っておりますが…

 確かに現在の文部科学省はスクールカウンセラーを増やす方針にありますが、この制度が将来的にどうなるか、実際は明日もわからないような状況なのが実状です。今後の国家財政の逼迫によって、制度自体が破綻してしまう可能性もないわけではありません。しかもこの記事では一切触れられていませんが(てか、それに触れてしまってはこの記事自体が成り立たないのでしょうが)現在、スクールカウンセラーというのは常勤職ではなく、社会保障は全くありません。そして将来的に常勤職になる見込みも、現状では全くないわけです。

 資格の難易度は星5つが最高の基準で星2つ。試験自体の難易度はそんなもんですが、記事にもあるように、指定大学院の修士課程修了後、就職し実務経験を積んだ上で受験し、合格率6割…かなりハードルは高いんですが、少なくとも給与の低さや雇用形態の不安定さを考えると、資格のコストパフォーマンス的にはせいぜい星1つといったところではないでしょうか。

 記事の筆者は「苦労するかいは、ありそうだ。」とまとめていますが、「苦労するかいは、ないと思うよ。」と返してあげたい。てか、こんな実状も知らせずに夢だけを持たせるような記事はいいかげん止めてほしいわけなんですが…。それなりに目端の利く人は最初からこんな資格取得は目指さないだろうし、現状の見えてないお子様たちのみがワラワラと集まってきて、全体のレベルはどんどん低下していく。悪循環です。資格の紹介をするのであれば、せめてネガティブな面も取り上げてもらえらればと思うわけなんですが、そういった情報もなかなかないんですよねぇ。

 ほんと臨床心理士になりたい人たちに聞きたい。なんで臨床心理士になりたいの?

#「じゃあ、お前は何なんだよ!?」という怒りの声が聞こえてきそうな気がしますが、その辺はそのうち触れたいと思います。忘れなければ。

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