既にどこかのブログで取り上げられているような気がしないでもないのですが、一応。
11/24づけで日本臨床心理士会のサイトに「自殺に関する報道についてのお願い」についてという文章がアップされました。
未読の方はまずそちらをご覧くださいませ。
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私も心理臨床に携わる人間の端くれとして、一連のいじめ問題・自殺問題については、その問題そのものについてもそうですし、マスコミ等の対応についても色々と思うところはありました。
ただ、これらの問題は様々な要因が関わっており、また様々な人が様々なことを言っている中で軽々しく扱うことができるような問題ではないと思いこれまで取り上げないできた次第であります。
いや、別に考えること自体はいいと思うんですけどね。ただ、発言することの意味を考える必要はあるんじゃないかと思いまして。
上記「お願い」の「1.自殺の具体的方法や手段等を詳細に報じることは控えられるよう希望します。」や「2.自殺を美化もしくは正当化するような報道は遠慮されるよう希望します。」なんてのはあり得ないと思いますが、「3.自殺を単純な因果関係で報道することに関して熟慮されるよう希望します。」なんてあたりは、考えの浅い自称専門家の方々は、単純な因果関係で語るのが好きそうだなぁと思うわけですよ(※ここの「自称専門家」は別に有資格・無資格関係ないです)。
これは単に報道の問題ではなく、我々臨床家が何をどう考え、どう発言していくかに関わってくる話なのではないかと思うわけですね。
というわけで、以前も紹介しましたが「自殺学」のエキスパート、高橋祥友氏による関連文献など。
アメリカの自殺―予防のための心理社会的アプローチ ハーバート ヘンディン Herbert Hendin 高橋 祥友 明石書店 2006-10 |
シュナイドマンの自殺学―自己破壊行動に対する臨床的アプローチ エドウィン・S. シュナイドマン Edwin S. Shneidman 高橋 祥友 金剛出版 2005-05 |
自殺の危険―臨床的評価と危機介入 高橋 祥友 金剛出版 2006-01 |
STOP!自殺―世界と日本の取り組み 本橋 豊 中山 健夫 金子 善博 海鳴社 2006-04 |
医療者が知っておきたい自殺のリスクマネジメント 高橋 祥友 医学書院 2006-11 |
この辺は専門家向きでしょうか。
そして一般向けはこの辺りから。
自殺予防 高橋 祥友 岩波書店 2006-07 |
自殺の心理学 高橋 祥友 講談社 1997-03 |
群発自殺―流行を防ぎ、模倣を止める 高橋 祥友 中央公論社 1998-07 |
青少年のための自殺予防マニュアル 高橋 祥友 金剛出版 1999-08 |
声高に自分の意見・考えをネット上で叫ぶ必然性はどこにもないわけで、とりあえずは色々考えていきたいと思っているわたくしなのでした。
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