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私が考える臨床心理士指定大学院入試対策その4 英語以外の専門対策

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勉強中?

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さて、過去の記事を未読の方は、まずはそちらから。

私が考える臨床心理士指定大学院入試対策その1 「いつ始めるの…今!…だろうか?」(13/12/19)
私が考える臨床心理士指定大学院入試対策その2 受験仲間を見つけよう!そして勉強会を始めよう!(13/12/20)
私が考える臨床心理士指定大学院入試対策その3 英語対策はこれだけでオッケー!?(13/12/25)

では本題いきます。

専門対策は「過去問次第」

前回、指定大学院の入試英語対策については触れましたが、では英語以外の専門対策はどうすればいいのでしょうか?

ぶっちゃけて言ってしまえば、その辺は「過去問次第」だと思います。過去問を検討して、出題される領域について知った上で、その分野について集中的に勉強していけばいいでしょう。

ただ、このシリーズのその1で私は大学院入試対策を始める時期として

学部3年の4月くらいには始めておきたいですね。

と書きました。はっきり言って、その時期に志望大学院が確定している人もなかなかいないでしょう。

早い時期から英語だけは始めておいた方がいいのですが、かと言って専門について何もやらないのは不安かもしれせん。

そんなわけで今回は専門対策に役立つ本4点と、それをつかってどうやって勉強するかについて提案したいと思います。

大学院専門対策のオススメ本(臨床以外編)

大学院入試で臨床以外の分野について出題される大学院も恐らく多いでしょう。まずは心理学一般についてのオススメ本2を2冊(+α)ご紹介。

キーワードコレクション 心理学(改訂版)

心理学の対象、環境の認知、学習、記憶、動機づけ、感情、思考と言語、パーソナリティ、社会と集団の9つのジャンルから、重要キーワードを精選してわかりやすく、ていねいに解説して好評のロングセラーを大きくパワーアップ。初版の項目をアップツーデートするとともに、20の新項目を追加。最新の心理学の成果をバランスよく理解でき、必要や興味に応じてひもといても、はじめから系統的に学んでも役に立つ、重宝することまちがいなしの心理学術語集。

これの旧版が出たのが1994年で、そちらは私も使ってました。この改訂版が出たのが2012年ということは、つまり旧版がそれなりに需要があって売れたということです。

心理学の各分野について広く浅く理解するのには、なかなか良い本だと思います。

もし、それぞれの記述について物足りない部分があれば、同じシリーズの各分野別の物を参照することもできるので、そういう意味でも便利です。

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心理学 第4版

認知・行動・発達・学習・情動・性格・社会・心理学史―「こころの科学」の全体像を見通し、体系立てて学べるテキスト。認知神経科学関連のトピックを全体的にアップデート。知覚・社会行動・歴史を中心に記述を見直し、内容を補充。概要をつかみたい初学者から、ポイントをおさえて復習したい大学院受験者まで、幅広いニーズに対応。

【本書の特長】
●概要をつかみたい初学者のために
・豊富な図版と2色刷りでわかりやすい
・平易な記述と相互参照の充実で学びやすい
●ポイントを押さえて復習したい大学院受験者のために
・重要語句をカラー太字で提示
・理解を助けるトピックで関連研究を解説

【改訂のポイント】
・進展めざましい認知神経科学の成果を全体にアップデート
・第3版で大幅に充実した感覚・知覚(5章)をさらに洗練
・社会行動(9章)に社会脳、顔の認知、自閉症など、歴史(10章)にジェームズ・ギブソンなどの項目を補充
・参考図書・引用文献・訳本を追加・更新

これも最初のバージョンを持ってました。

しっかり内容のアップデートはされている&ロングセラーであるということを考えると、こちらもまた「専門(特に臨床以外)について何をやればいいかわからない…」という方にとってはかなりオススメできる一冊かと思います。

現代心理学用語事典―クローズアップこころの科学を読みこなす

これが私の言うところの「(+α)」であり、番外編というところでしょうか。

内容自体はかなりオススメできます…というか、私が友人達と一緒にやっていた勉強会では、まずこちらの本に書かれている用語についてまとめるところから始めました。確か、先輩から勧められてこれを使い始めた記憶があります。

今でもそれなりに使える本なのですが、いかんせん、やっぱり内容は古いです。1988年出版でそれから改訂などはされてないですから。そんなわけであくまでもおまけ(そしてワタクシ的なノスタルジー)としてご紹介させていただいた次第。

大学院専門対策のオススメ本(臨床編)

さて、次は臨床系についてのオススメ本2点をご紹介。

よくわかる臨床心理学

日本の臨床心理学においては、現代社会や利用者のニーズに対応できる専門活動として、学問のあり方を再構築していくことが緊急の課題となっている。本書は、そのような新しい臨床心理学のあり方を、わかりやすく解説したものである。

一時は当ブログ経由でもかなり売れていたこちらの本。臨床心理学について広く浅くという意味では、なかなかオススメです。

…最近は当ブログ経由であまり出てないんですが…オススメなんだけどなあ…

というつぶやきはおいといて、とにかくわかりやすくていいです。キーワードをピックアップして知識を整理していくのがいいでしょう。

過去問なんかをやっていて、特に重要な分野が見つかった場合には、紹介されている参考文献なんかを読んでみるのが吉かと思います。

臨床心理学キーワード

臨床心理学に関する基本的な事柄・用語の中から重要な110のキーワードを選び、1~4ページの読み切りスタイルで平明に解説。巻末に臨床心理学の基礎用語と関連の人名解説を付し、学習のいっそうの便を図った。概念の正確な把握、不確かな知識の整理と検証に最適。

コンパクトにまとまっていて、なかなかいい本です。院試だけではなく、臨床心理士資格試験対策でも使えると思います。

そして、こちらのシリーズも臨床以外の分野がいくつか出てますので、そうした分野が出題される大学院対策に何冊かそろえてもいいかもです。

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専門用語を自分なりにまとめてみよう

さて、それでは院試の対策の第一歩ですが…まずは専門用語を自分なりにまとめてみましょう

勉強会でやるとしたら、上で挙げた本のどれか1冊を決めて(その辺は好みと臨床以外にどれくらい比重があるかで)、メンバーで担当する範囲を決めましょう。

そして、自分の担当分についてはそこに掲載されている専門用語について、簡潔に(出来れば目安となる文字数などを決めて)その意味や定義をまとめてみましょう。ただまとめるだけだと芸がないので(単に事典からコピペすりゃあ済むという話もアリ)、自分で何か分からない点がないようにまとめるといいと思います。「分からない点がないように」というのは、つまり他の人が聞いても(読んでも)ちゃんと理解できるように…ということです。

勉強会の場では、それぞれの担当分についてレジュメを作り(例えば1つの専門用語につきA4 or B5半分とか)発表してもらい、担当以外の人はそれを聞いて分からなかった点、疑問に思った点を質問しましょう。担当者がそれに答えられれば、レジュメの空いている領域にメモ等をしていけばいいですし、答えられなかった、わからなかった場合は次回への宿題にしましょう。

大事なのは「わかったつもりにならない」こと

ここで大事なのは、発表する側もそれを聞く側も「わかったつもりにならない」ということです。わかったつもりになって聞き流してると、多分、超早い時間で勉強会は終わっちゃうと思います。そうした場合恐らく、聞いている側は(下手すると発表する側も)ほとんど記憶に残らないということが起こり得ます。

オススメした本をただ読み流したような場合にも同じことは起こるでしょう。もちろん、それできっちりと身につく人もいるかもしれませんが、多くの方はそれは無理だと思います(少なくとも私は無理です)。

そして、複数人で勉強する利点の一つがここにあります。

自分で分かったつもりになっていても、意外に説明できなかったり、質問に答えられないということはあります。それはつまり「わかっていない」ということなのです。

何人かで分担すれば、英語の時同様、大幅な時間の短縮になりますし。

そんなわけで、是非とも院試仲間を見つけましょう。

そして「自分だけの用語集」が完成する

そうやって勉強会をやって、使ったレジュメをファイルしていけば「自分だけの用語集」が完成します。

これは後々までの宝となります。

実際、私は院試の際にこうやって作った用語集を、臨床心理士資格試験の際にも活用しました。

あまりきれいではない字での書き込みがあったとしても、それは世界に一つしかない自分専用用語集です。そりゃあ愛着もわくという物です。

とにかく早めに勉強会を始めましょう。仲間がいない人は…その分、一人で頑張らねばならないわけで、大変だと思いますが頑張りましょう。

今年も当ブログは心理学系大学院の院試に臨む皆様を応援いたします。

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