臨床心理学

心理学系大学院への進学を考える大学生の皆さんへー学部時代をどう過ごしますか? その1

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これまで心理学系学部・学科を目指す高校生向けへのシリーズを書いてきました。

心理学系学部・学科を志望する高校生の皆さんへ – 「本当にその選択でいいのですか?」(13/01/24)
心理学系学部・学科を志望する高校生の皆さんへ その2 – 「大学選び」どうします?(13/01/28)
心理学系学部・学科を志望する高校生の皆さんへ その3 – 入学してから「話が違う!」とならないためのたった一つの心構え(13/01/28)

今回は次のステップ。めでたく大学に合格された方に向けたエントリとなります。

ただし、私はいわゆる一般的な就活と呼ばれるものをしたことがないですし、一般企業での就労経験もありません。色々な情報から想像できる部分もないわけではありませんが、自分の経験の範囲ではあまりにも限られたことしか書けないので心理系大学院への進学を考える大学生の皆さんへ向けて書きたいと思います。

大学3

ちなみに臨床心理士の資格を取得するためには、現行の制度では財団法人 日本臨床心理士資格認定協会の定める指定大学院あるいは専門職大学院の修士課程を修了する必要があります。

指定大学院・専門職大学院 臨床心理学専攻(コース)一覧(財団法人 日本臨床心理士資格認定協会)

その他(と言いますか、本来はこちらの方がメインのなのですが)、研究者を目指して大学院進学をする方も当然います。

本エントリではいずれの方々も対象としたいと思います。

さて、皆さん。学部時代をどうやって過ごしましょうか?

勉強しましょう

もう当たり前すぎるくらい当たり前な話ですが、学生の本分は勉強です。ですから勉強しましょう。

これについては学部卒後に企業への就職を目指す人に対しても言いたいです。

確かに仕事に就いてからも勉強は出来ます…というよりも、仕事に就いてからも勉強しなければいけない場面というのは頻繁にあります。

そんな時思うのです。

「大学という場所は、どれだけ勉強するのに向いている場所だったのだろうか!」

と。

大学ってすごい場所なんです

大学に就職した人はその素晴らしさがわからないかもしれませんが、たとえば病院に就職した人が研究しようと思ったら、図書館で文献を集めるだけで一苦労です。

もちろん学外の人も大学図書館を利用することは可能ですが、その場合、利用可能なサービスは限られていることが多いですし、なによりもアクセスのしやすさは格段に違います。あなたが通っている大学の敷地内に高い質ともの凄い量の「知」が集積されている…これは大変なことなのですよ。

通常の授業、講義にしてもそうです。

皆さん、勉強したい、修めたい分野があって大学に入ったんですよね?そのために受験勉強を頑張ったんですよね?

だったら、真面目に講義を受けましょうよ。ちゃんと聴けば面白いですよ…いや、教員の質にもよるかもしれませんが、それでも高校時代の授業とは意味合いが全く異なるはずです。自ら望んで心理学を学びたいと思って大学に来ているはずですから。

学生ではない人が大学の講義と同じクオリティの講演を聴こうと思ったら、それなりのお金を払わなければならない場合が多いはずです。確かに授業料も払っているわけですが、それでも授業一回分に換算すればそうとうお得なはずです。それが年間を通して聴けるというのはやっぱりすごいことだと思いますよ。

様々な分野に目を向けましょう

研究者志望の人というのは、恐らく学部で学んで行く中で自分の興味・関心のある分野を決めていくことが多いでしょうから、当然、心理学の中でも幅広い分野に関心を向けていく必要があると思います。いえ、逆に幅広い分野を眺める中で自分の興味・関心を特化していくということになるのでしょう。

臨床心理士志望の人は、当然、臨床心理学に興味があるのでしょうし、ひょっとするとそのために他の分野にはなかなか興味を持ち辛いということがあるかもしれません。

それでも臨床心理学以外の分野について知識を深めていくことは決して無駄にはならないはずです。

卒論や修論を書く時、あるいは職についてから研究しようと思った時に、他の分野の心理学の知識や知見が役に立つということはよくあります。

あるいは臨床心理士を目指していたんだけど、他の分野が面白くなってそちらの方向に進むということもあるかもしれません。

それは心理学以外の分野の知識についても言えるでしょう。心理学科であっても隣接領域の他学問について学ぶチャンスは学部生時代が最も多いはずです。

知識の幅を広げるというのは、つまり将来の可能性の幅を広げることなのではないかと思います。

学部時代から専門バカになってしまうのはつまらないですよ。意識的に幅広い分野の知識を身につけるようにしましょう。

本をたくさん読みましょう

大学生は時間があります。色々な事情があってそうでもないという方もいるかもしれませんが、でも仕事を持って家庭を持って…となると本当に時間がなくなりますよ。それでも上手な人は時間の工面をするのかもしれませんが、少なくとも私は無理です。なかなか時間がないです。

時間があれば色々なことが出来ますが、様々な分野に目を向けるということに関連して、そのたくさんある時間をせっかくだから本を読むのに使ってみませんか?

大学院に入ってしまうと、なかなか自分の専門分野以外の本を読むということがなくなります。なので学部生時代には幅広い分野の本を読んでみましょう。

少しでも興味のある本は手当たり次第に読んでみる…というのも面白いですが、最近ではこんなのも参考になるのではないかと思います。

そんなにたくさん本を買ってる経済的余裕はないし…って、それこそ立派な図書館があるじゃないですか。その大学の図書館にない蔵書であっても、取り寄せサービスがあるはずです。

せっかくのリソースなんですから、どんどん利用してやりましょう。

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まだまだ書きたいことがありますが、長くなりそうなので続きはまた今度。

質問等ありましたらコメント欄、またはtwitterなどお気軽にご利用ください。

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