いや、実際には今もそんなふうに考えているわけですが。
先日、割と同じような教育というか訓練をベースとしてる人とお話ししてた時に、私はふと思ったのです。
心理系学部・学科における「臨床系と基礎系の対立」なんて都市伝説としか思えない、と。
話をしていた相手もそれに同意してました。
そして、自分達がそう思えるような教育や訓練を受けてきたということは、幸福なことだなあと思った次第でありまして。
我々にとっては都市伝説レベルに現実味のない話ではあるんですが、それでもどうやら現実にそういう対立は存在しているらしいんですよね。
少なくともネットの片隅では「基礎系と臨床系の教員がお互いに悪口を言っている」的な学生のつぶやきを目にすることがあるのです。
完全な偏見だという自覚はあるのですが、これが都市伝説レベルで現実味がない人々にとって、心理職の国家資格としての公認心理師法案は割と受け入れやすく、「臨床系と基礎系の対立」を目の当たりにして来た、あるいは現状で目の当たりにしている人々、そしてその対立の当事者としての臨床系の教員たちというのは、公認心理師法案が受け入れがたいのではないかと思ってたりします。
そりゃあ、基礎系と対立している臨床系の人達にとっては、資格名称に「臨床」が含まれないことは耐え難いでしょうねえ。公認心理師が「臨床心理職」の資格ではなく「心理職」の資格であることに対して、怒りを抑えられない人もいるでしょう。
そもそも「基礎」の対義語は「応用」であり、応用心理学とは臨床心理学のことのみを指すわけではないのですよね。発達心理学や教育心理学だって応用心理学です。
あるいは「臨床心理学」に相対する分野として「実験心理学」を挙げる人もいるかもしれません。でも、臨床心理学の研究の中でも実験法というのは使うわけで、これまたなんか変な感じです。
なんなんすかね?「臨床心理学」ってそんなに特別なものなんすかね?
…あ、ひょっとしてそういう人にとって、自分達がやってる学問は「臨床心理学」じゃなくて「心理臨床学」なのかな?
とにかく、未だに私にとっては都市伝説でしかない「臨床系と基礎系の対立」。
皆さんにとっても「都市伝説」なのでしょうか?それとも「すぐそこにある現実」なのでしょうか?